1. 花粉症の原因
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉に対して免疫が過剰に反応することで起こるアレルギー性疾患です。本来、体を守るはずの免疫機能が、無害である花粉を「敵」と誤認し、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみといった症状を引き起こします。
東洋医学では、花粉症は「肺」「脾」「腎」の働きの低下と関係すると考えます。肺は呼吸や皮膚・粘膜の防御を司り、脾は消化吸収を通して気血を生み出し、腎は生命力の土台となります。これらが弱ることで「外邪」(花粉)に対する抵抗力が落ち、症状が出やすくなります。
しかし、同じ花粉を浴びても症状が出る人と出ない人がいます。この差は、体表を守るバリア機能である「衛気(えき)」の強さにあります。
- 衛気の不足: 睡眠不足や過労により、外敵を防ぐ力が弱まっている状態。
- 水滞(すいたい): 体内に余分な水分が溜まっていると、それが鼻水や涙となって溢れ出します。
2. 日常でできる「養生(セルフケア)」
症状を和らげるためには、日頃から「入れない・溜めない」身体作りが重要です。
- 首を温める: 『首』と名前のつく部位は体の要。ツボが密集している場所でもあります。首・手首・足首を冷やさないようにしましょう。マフラーやカイロで温めることで、衛気を高められます。
- 飲食の不摂生を控える: 甘いものや脂っこいもの、冷たい飲み物は胃腸に負担をかけます。そのため、体内に「湿(しつ)」を溜め、鼻水を悪化させます。温かい食事を心がけましょう。
- 質の高い睡眠: 衛気は寝ている間に作られます。夜更かしは花粉症への抵抗力を削る最大の要因です。
3. 鍼灸治療を始めるベストタイミング
結論から言えば、「花粉が飛散し始める4週間前」から治療を開始するのが理想的です。
- シーズン前(準備期): 体質の底上げを行い、衛気を高めて「花粉に反応しにくい身体」を作ります。
- シーズン中(対症療法): すでに症状が出ている場合は、鼻の粘膜の炎症を抑え、自律神経を整えることで不快感を即効的に緩和します。
実際に早めに着手することで、毎年強い薬を手放せなかった方が、薬の量を減らせたり、症状も軽減したケースも少なくありません。
4. 鍼灸によるアプローチ方法
シーズン前とシーズン中でアプローチ方法が異なります。シーズン前は、全身のバランスを整え、体力を底上げすることがメインとなります。一方、シーズン中は鼻水や肌の痒みや眠気に直接アプローチしつつ、自律神経を整えるツボを使っていきます。
- 顔のツボ(迎香・印堂): 鼻の通りを瞬時にスムーズにし、顔面の血流を改善します。
- 全身の調整: 肺・脾・腎といった消化器や免疫に関わる内臓の機能を高め、根本的な「過敏体質」の改善を目指します。

まとめ
花粉症は「なってから」の対処も大切ですが、「なる前」の準備でその年の快適さが大きく変わります。
あなたの花粉症対策、いつから始めますか?
来年の花粉症対策は今から始まります。
